サインアップした夜
約3時間ぐらい話しただろう。
何もしていないのに、すでに私は成功者になっていた。
可能性しか感じていなかったのだ。
3種類の洗剤
食器洗剤、洗濯洗剤、万能液体洗剤
それぞれを3個ずつ買った(仕入れた)。
自宅に帰ると、興奮が冷めず、その洗剤を頭もとに並べて眠りについた。
ミーティング
当時は携帯などないので、連絡は家電だ。
「明日、ミーティングがあるんだけど来ない?」
上のHさんからのお誘いだ。
当然行った、19時からのミーティング、もう一つ上の人を紹介すると言われ指定の場所へ行った。
駅前のアーケードの中で長年洋品店を営んでいる、社長の店の2階事務所。
店の閉まった後、半分空いているシャッターをくぐり、2階へと案内された。
そこには、ある程度年配(40代~50代)ぐらいの男性、女性、夫婦、15名ほどの人がいた。
私の上のHさん(30代)がその中では一番若く、20代は私一人。
何の話をしたかの記憶はほぼないのだが、ほとんどの方がご自身ですでに商売をされている人だった。
人生で、初めて一度にたくさんの経営者という人種に会ったのだ。

期待される
1時間ぐらいたったころだろうか
「では今日ここにきている皆さんの自己紹介をしましょう」
ドキドキだ!
皆さんのやっている本業の話や、皆さんの夢の話、聞いてはいるが上の空だ。
自分はなんと話そう、何を言えば…
何を言ったのか、覚えていない(笑)
20歳で、3日前にサインして……
すると50代ぐらいのご夫婦で商売をやられている、品のよさそうな奥さんが
「期待の20歳、若きリーダーの誕生ですね」
えっ、期待の若きリーダー!?
完全に舞い上がった。