自己決定感
自分で決めたことは自分で責任をとるしかない。
そこには、必ず自己責任が発生する。
ここは逃げては通れない。
私は、幼少の頃から裕福ではない家庭に添い育った。
高校を出てから就職をしたのだが、とにかくもっと稼ぎたかった。
サラリーマンで一生を終える気はこれぽっちもない。
何かチャンスはないか!
商売をしたいが何からスタートしたらいいかまったくわからない。
回りに事業をやって、稼いでる人なんか知らない。
今から約40年前、そんな情報どこにあるかもわからない。
夜中の訪問客
そんな悶々としながら、20歳を迎えて1っか月目の夜だ。
夜の23時頃、布団で眠っている時だ、
私の部屋(1階)の窓がゴンゴンッと音を立てた。
「起きてるか?俺や俺」
高校時代の友人である。
彼は、隣の県の大学へ進学していて、週末実家へ車で帰っている途中に私の家にきたのだ。
「どうした?」
窓を開ける。
「ちょっと聞いてほしいことがある」
えっこんな時間から?
何か重要な話なんだろう。
「いいよ、入れよ」
彼を部屋へと案内した。
ビジネスチャンス
彼は、カバンから何やらゴソゴソと見たことのない商品を出してきた。
洗剤だ!
そう、わかる人はわかると思うが
Amwayの勧誘だったのだ。
当時、日本上陸をしてまだ6年ぐらい、洗剤類と鍋しかない時代だ。
よくわからない洗剤の説明を聞き、明日か明後日、より説明のわかる上司のような人がいるので会ってほしいと。
人生で生命保険の勧誘以外で、初めての勧誘、それも友人から。
ビジネスチャンスだと、何度も言われるがまったくチャンスに思えない(笑)
ここで、こう思った。
断ればいいから、その上の人に会って聞いてみよう。
やらなくていいから、聞くぐらいならと。

翌日の喫茶店
待ち合わせの18時にお店へ行った。
JRの車両のお下がりをそのまま使った、喫茶店。
「初めまして」
その上の人(Hさん)、と初対面した。
Hさんはスーツを着て、シュッっとしているまあまあ男前の人だ。
会社の概要から、ビジネスプラン、可能性、
いろいろ聞いた。
決定的に私に足らないものは、すべてが初めて聞くことで、比べる対象のことを経験したこともないし、何の知識もない。
8000円からスタート出来て、クーリングオフもある。
ならやらない手はないだろう。
すぐにサインして始めたのだった。